涙液分泌減少型

このタイプのドライアイは、涙の分泌量が減少することによって生じます。通常、涙は反射的に分泌されますが、この機能が低下することで眼表面が乾燥し、異物感や乾燥感が常に続きます。

加齢や薬の副作用（降圧薬、抗うつ薬など）、ストレス、糖尿病、シェーグレン症候群などがリスク要因となります。

まばたきの動作によって涙の分泌を促すことが通常のメカニズムですが、涙液分泌減少型のドライアイではその作用も十分に働かなくなります。

涙液蒸発亢進型

涙が正常に分泌されていても、涙が蒸発しやすくなることでドライアイが発生するタイプです。

パソコンやスマートフォンを長時間使用することでまばたきの回数が減少し、涙が蒸発しやすくなります。

また、エアコンの風や乾燥した環境も原因となります。

特にソフトコンタクトレンズの装用者は約8割が乾燥感を感じており、冬場はさらに症状が悪化する傾向があります。

BUT短縮型

最近注目されているタイプが「BUT（Breakup Time）短縮型ドライアイ」です。

BUT短縮型ドライアイとは、涙の分泌量は正常でも、まばたき後に涙液層がすぐに崩れ、角膜を保護できなくなる状態です。

通常、涙液層は10秒以上持続しますが、このタイプでは瞬間的に崩壊してしまい、乾燥や刺激を感じやすくなります。

点眼液を用いた治療

点眼液による治療は、ドライアイの最も一般的な治療法です。

症状の程度や原因に応じて、それに合った点眼薬を処方します。

人工涙液

人工涙液は、涙の成分に近い成分で作られた点眼薬で、目の乾燥を補うために使用されます。

防腐剤が入っていないタイプもあり、コンタクトレンズ装用時にも安心して使用することができます。

軽度のドライアイや、一時的な目の乾きに対して効果的です。

ヒアルロン酸配合点眼液

ヒアルロン酸は、高い保湿効果を持つ成分で、ドライアイ治療において最も多く処方されている点眼液です。

この点眼液は、目の潤いを与えるだけでなく、ドライアイによって角結膜に生じた傷を保護する効果も期待できます。

特に、長期間の乾燥によるダメージがある場合に適しています。

ムコスタ点眼液

ムコスタ点眼液は、目の潤いを保つために重要なムチンという成分を増やす作用があります。

この点眼薬は、涙液の量を増加させるだけでなく、ドライアイによって生じた角膜の傷を修復し、保護する効果もあります。

1回ごとの使い切りタイプで防腐剤も不使用のため、衛生的に使用できます。

また、コンタクトレンズ装用時にも使用可能です。

ジクアホソル点眼液

ジクアホソル点眼液は、目の潤いを保つムチンの分泌を促進し、涙液の質を向上させる効果があります。

涙液が不足している場合や、涙の質が悪くなっていることで乾燥を感じる方に適しています。

涙点プラグ挿入術

涙点プラグ挿入術は、涙液が目の表面から流れ出る涙点をシリコン製のプラグでふさぎ、涙液を目の表面に留めてドライアイを改善する治療法です。

患者様の涙点のサイズに合わせたプラグを選び、専用の器具で挿入します。挿入時には点眼麻酔を使用するため、痛みはほとんど感じません。

この治療法は、涙液分泌が少ない患者様に効果的です。

一度挿入したプラグが外れることもありますが、再度挿入することが可能です。

プラグの必要がなくなった場合は簡単に取り除けるため、リスクも少ない治療法です。

ただし、涙点は老廃物も排出する役割があるため、プラグ挿入後に目ヤニやかゆみを感じることもあります。

このような症状が出た場合は、抗生物質や抗アレルギーの点眼薬を使用することで改善されることが多いです。

IPL治療

IPL（Intense Pulsed Light）治療は、近年注目されている新しいドライアイ治療法です。

涙の成分は99％の水と1％の脂で構成されており、脂の不足が原因で起こるドライアイが全体の約86％を占めることが研究で明らかになっています。

この「脂が足りないタイプ」のドライアイには、従来の点眼治療や涙点プラグでは十分な効果が得られない場合が多いです。

ドライアイの原因となる脂分の不足は、目のマイボーム腺の機能不全によるものです。

マイボーム腺は涙に必要な脂分を分泌する役割を果たしますが、これが詰まってしまうと涙液のバランスが崩れ、目の乾きや痛みが生じます。

このマイボーム腺の詰まりを改善するために、IPL治療が効果的です。

IPLは、マイルドな光を照射することで詰まったマイボーム腺を解消し、涙液の分泌を正常化させます。

この治療法は国内外で注目されており、良好な治療結果が報告されています。

IPL治療は従来の治療法では改善しにくいドライアイに対して、新しいアプローチとして期待されています。

IPL治療

IPL（Intense Pulsed Light）治療は、近年注目されている新しいドライアイ治療法です。

涙の成分は99％の水と1％の脂で構成されており、脂の不足が原因で起こるドライアイが全体の約86％を占めることが研究で明らかになっています。

この「脂が足りないタイプ」のドライアイには、従来の点眼治療や涙点プラグでは十分な効果が得られない場合が多いです。

ドライアイの原因となる脂分の不足は、目のマイボーム腺の機能不全によるものです。

マイボーム腺は涙に必要な脂分を分泌する役割を果たしますが、これが詰まってしまうと涙液のバランスが崩れ、目の乾きや痛みが生じます。

このマイボーム腺の詰まりを改善するために、IPL治療が効果的です。

IPLは、マイルドな光を照射することで詰まったマイボーム腺を解消し、涙液の分泌を正常化させます。

この治療法は国内外で注目されており、良好な治療結果が報告されています。

IPL治療は従来の治療法では改善しにくいドライアイに対して、新しいアプローチとして期待されています。

加齢

加齢に伴い、涙の分泌量が減少し、涙の安定性も低下します。

年齢を重ねることで、涙の量や質が悪くなり、目の表面を十分に保護できなくなるため、ドライアイが起こりやすくなります。

特に高齢者においては、目の乾燥を訴える方が増加しています。

性別

女性はホルモンバランスの影響を受けやすく、特に閉経後にドライアイのリスクが高まることが知られています。

エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが涙の分泌に関わっており、ホルモンの減少が涙の量や質に影響を及ぼします。

乾燥した環境

冬場や空気が乾燥する環境では、目の表面から涙が蒸発しやすくなり、ドライアイが悪化します。

また、エアコンの普及により、冬だけでなく夏でも乾燥しがちです。

自宅やオフィスでの長時間のエアコン使用は、涙液の蒸発を助長します。

加湿器を使って湿度を保ち、エアコンの風が直接目に当たらないように工夫することが大切です。

画面を長時間見つめる作業

パソコンやスマートフォンなどのモニター画面を長時間見つめる作業は、まばたきの回数を減らし、涙液が蒸発しやすくなります。

通常、まばたきによって涙液が目の表面に均一に行きわたりますが、モニターを凝視しているとまばたきが少なくなり、目の乾燥を引き起こします。特にデジタルデバイスの使用が長時間にわたる場合、ドライアイのリスクは増大します。

喫煙

たばこの煙は目に悪影響を及ぼし、涙の質を低下させます。

また、喫煙は目の血行を悪化させ、ドライアイだけでなく他の眼病のリスクも高めます。

コンタクトレンズ

コンタクトレンズ装用者は、涙液の蒸発が促進されやすくなります。

レンズが目の表面と摩擦を起こし、涙液が不安定になり、乾燥感や異物感を引き起こすことがよくあります。

また、コンタクトレンズが汚れたり傷ついたりすると、涙液のバランスが崩れ、ドライアイのリスクがさらに高まります。

定期的なメンテナンスと交換が必要です。

マイボーム腺機能不全（MGD）

マイボーム腺はまぶたの縁にある腺で、涙の脂分（脂質）を分泌します。

この脂質が涙液を目の表面に留め、蒸発を防ぐ役割を果たしますが、マイボーム腺が詰まって機能不全になると、脂質が十分に分泌されず、涙の蒸発が進行してドライアイが発生します。

結膜弛緩症

加齢により、結膜（白目を覆う膜）が弛緩することで、涙が目の表面に均一に行き渡らなくなり、涙がすぐに流れ出してしまいます。

これにより、眼表面が乾燥しやすくなり、摩擦による傷が生じやすくなります。

弛緩した結膜がまぶたや眼球と摩擦を起こすことで、さらなる眼表面の損傷が発生することがあります。

内服薬の副作用

特定の内服薬、特に抗コリン作用を持つ向精神薬や抗うつ薬は、涙液の分泌を抑制し、ドライアイの症状を引き起こします。

また、長期的に防腐剤入りの点眼薬を使用すると、角膜に微細な傷がつき、涙液のバランスが崩れてしまうこともあります。

内服薬を使用する際は、医師にドライアイについて相談しましょう。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は、中年の女性に多く見られる自己免疫疾患で、涙腺や唾液腺が破壊されることにより、涙や唾液の分泌が極端に減少します。

この疾患により、目の乾燥が重症化し、痛みや視力低下を引き起こすことがあります。

場合によっては、目を開けることができないほどの痛みを伴うこともあります。

シェーグレン症候群の早期発見と治療が、ドライアイの重症化を防ぐために重要です。

IPL治療は、特殊なフラッシュ光を照射し、マイボーム腺を刺激することでドライアイの症状を緩和します。

この治療は痛みもなく、外的なダメージもないため、患者様に安心して受けていただけます。

治療前の準備

治療を受ける前に、メイクや基礎化粧品をすべて落とし、眼周囲に毛がある場合は剃る必要があります。

これは、毛に反応して痛みを伴う可能性があるためです。

治療の流れ

1回の治療は約10分で完了します。

専用のアイマスクを装着し、頬の上部に水溶性ジェルを塗布します。

内眼角から外眼角、鼻にかけて数回フラッシュを照射し、反対側の眼も同様に処置を行います。

ジェルを拭き取って眼の周囲を洗浄し、終了です。

治療後の注意点

• 処置を受けた場所には、治療期間中に他の治療を行わないようにしてください。
• 紫外線に当たる場合は、フラッシュした部分に日焼け止めクリームを使用してください。
• 一般的な眼科検診は問題なく受けていただけます。